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ホールディングス発足以来の
目標達成を通過点に、次の飛躍へ


創立10周年を迎えた伊藤ハム米久ホールディングスは、2025年度、
発足以来掲げてきた売上高1兆円、経常利益300億円の目標を達成しました。
しかし、これはゴールではなく、次の成長への出発点です。
今後は、食肉・加工食品の既存事業で培ってきた強みを磨き直すとともに、
海外事業、新たな食品領域、人的資本、DX投資を通じて、
稼ぐ力と資本効率を高め、持続的な企業価値向上につなげてまいります。

  代表取締役社長
  浦田 寛之

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ホールディングス発足以来の目標達成を通過点に、次の飛躍へ

創立10周年を迎えた伊藤ハム米久ホールディングスは、2025年度、発足以来掲げてきた売上高1兆円・経常利益300億円の目標を達成しました。しかし、これはゴールではなく、次の成長への出発点です。今後は、食肉・加工食品の既存事業で培ってきた強みを磨き直すとともに、海外事業、新たな食品領域、人的資本、DX投資を通じて、稼ぐ力と資本効率を高め、持続的な企業価値向上につなげてまいります。

代表取締役社長 浦田 寛之
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10年の歩みを力に、次の成長ステージへ踏み出す

2025年度は、売上高・経常利益・当期純利益のすべてで過去最高を更新し、2026年度を最終年度とする中期経営計画の定量目標を1年前倒しで達成することができました。この目標は、伊藤ハムと米久の経営統合後に策定した最初の中期経営計画から一貫して掲げ続けてきたものであり、当時の私たちにとっては挑戦的な目標でした。統合効果の創出と、環境変化への対応を積み重ねる中で、今回ようやく目標を達成することができました。この成果は、単なる単年度の業績向上ではなく、この10年間でグループの収益力を高め、環境変化に対応する力を培ってきた歩みが形になったものだと受け止めています。

2025年度は世界的なインフレを背景とした食肉相場の追い風もありました。そうした追い風を成果につなげることができた背景には、生産・調達・販売を一体で管理する力の向上、国内外の生産・調達基盤、取引先との関係性強化など、需給の変化に柔軟に対応できるリスクマネジメント力を磨いてきたことがあります。環境変化の中でも成果を生み出せる力が、当社グループに着実に根づいてきていると実感しています。
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成長投資を進め、次期中計で成果につなげる

2026年度は、現中期経営計画の総仕上げの年であると同時に、次期中期経営計画で成果を具体化するための重要な準備期間です。2025年度の成果を通じて、手ごたえを感じた一方で、次の成長に向けた課題も明確になっています。2026年度は、これらの課題に正面から向き合い、これまで培ってきた収益力を将来の成長に向けた投資と事業変革につなげていく一年と位置づけています。

その象徴の一つが、約300億円を投じ、2026年9月に竣工した静岡県の三島工場です。同工場は、ハム・ソーセージの次世代型ラインを導入し、生産性向上、省人化、品質安定性、環境負荷低減を同時に追求する国内モデル工場です。立ち上げ初期には建物や製造設備の減価償却費負担が先行しますが、中長期的には加工食品事業の生産体制を最適化・高度化し、商品供給力と収益力の向上につなげていきます。

また、鳥取県の「米久おいしい鶏」においても、将来の需要増加を見据えた農場新設を決定しており、国内事業の競争力を支える基盤投資を着実に進めています。

海外事業では、長期経営戦略2035で掲げた成長投資が本格的に動き始めています。その第一歩が、2026年6月に公表したニュージーランドの食肉事業者Greenlea Group Limitedの買収です。ニュージーランド子会社であるANZCO FOODSを通じて約760億円を投じるこの投資は、単なる事業規模の拡大ではなく、海外における生産・販売基盤を強化し、世界的なたんぱく質需要の成長を取り込むための重要な取り組みです。今後は、ANZCO FOODSとGreenlea Group Limitedのそれぞれの強みを活かしながら、PMIを着実に進め、海外食肉事業の収益基盤強化と投資効果の早期発現につなげていきます。

こうした成長投資の動きは、社内にも前向きな変化を生んでいます。各部署から成長に向けた投資案件や事業施策が提案されるようになっていることは、当社グループが次の成長ステージに向けて動き始めている証だと受け止めています。同時に、経営としては、すべての案件を一律に進めるのではなく、当社の強みを活かせるか、将来の収益力向上につながるか、投下資本に見合うリターンを見込めるかを見極め、優先順位を明確にして実行していきます。

2026年度は、現中期経営計画の成果を仕上げるとともに、三島工場や海外投資をはじめとする成長施策を着実に立ち上げ、次期中期経営計画で成果を刈り取るための基盤をつくる一年です。これらの取り組みを通じて、稼ぐ力と資本効率を共に高め、2035年度に目指す経常利益500億円の実現につなげてまいります。
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変化への対応力を高め、次期中計につながる事業変革へ

2026年度に私たちが取り組むべきことは、成長投資を立ち上げることだけではありません。事業環境の変化に対して、より早く、より的確に手を打てる経営へと進化することが不可欠です。

特に加工食品事業では、原材料費、人件費、物流費の上昇が続く中、価格改定だけに依存しない収益性の改善が重要な課題です。商品カテゴリ、ブランド、販売チャネル、SKU、製造拠点ごとの収益構造をより精緻に把握し、商品設計、価格政策、販促投資、生産効率を一体で見直していきます。

2026年7月に発売した「SunnyPrice(サニープライス)」シリーズは、物価高が続く中で、商品設計やパッケージデザインを見直し、お客様に手に取っていただきやすい価格を実現した取り組みです。こうした施策をより早く市場に届け、商品価値と価格対応を両立していくことが、加工食品事業の競争力向上につながると考えています。

当社グループが向き合うべき課題は、個別商品の対応に留まりません。コスト構造や需要構造の変化は一時的なものではなく、今後も続く構造的な変化です。従来の延長線上の改善だけでは十分ではなく、事業ポートフォリオ、業務プロセス、商品開発、生産、販売、物流、組織のあり方まで含めて、環境変化を前提とした事業変革を進める必要があります。

2026年度は、現中期経営計画の最終年度として足元の成果を仕上げるとともに、次期中期経営計画に向けて、こうした構造課題への対応を具体化する一年です。加工食品事業の収益性改善と経営管理の高度化などを進め、次の成長につながる経営基盤を築いていきます。
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既存の強みを核に、食の可能性を国内外へ広げる

2035年に向けて、当社グループは、食肉・加工食品で培ってきた強みを土台に、事業領域と市場の広がりを自らつくり出していきます。国内市場では人口減少や高齢化が進む一方、食に求められる価値は多様化しています。また、世界では人口増加や所得水準の向上を背景に、たんぱく質需要の拡大が続くと考えています。こうした変化を、当社グループにとってのリスクであると同時に、新たな成長機会として捉えています。

その実現に向けて、私は「既存事業の強化」「新たな事業領域への展開」「海外事業の拡大」の三つを重視しています。
第一に、既存事業では、食肉・加工食品の競争力をさらに磨き、国内バリューチェーンの価値最大化を進めます。生産、調達、加工、販売、物流をグループ全体で最適化し、商品力、ブランド力、供給力、コスト競争力を高めることで、国内市場における相対的な優位性を確かなものにしていきます。

第二に、新たな事業領域への展開です。私たちは、食肉・加工食品で培ってきた技術、ブランド、販売ネットワーク、冷蔵・冷凍物流の基盤を有しています。これらの強みを活かせる領域であれば、食肉という枠に留まらず、例えばシーフード、乳製品、ペットフードなど、食に関わる隣接領域へ事業を広げる余地は大きいと考えています。重要なのは、単に取り扱い商品を増やすことではなく、当社グループの強みを活かし、お客様の新たな食のニーズに応えながら、収益性のある事業として育てていくことです。

第三に、海外事業の拡大です。これまでの海外事業は、生産コストの優位性を活かし、海外で製造した商品を日本国内で販売するモデルが中心でした。しかし、国内市場の縮小を前提とすれば、今後は世界市場そのものを成長の舞台として捉える必要があります。日本に売るための海外事業から、世界で売るための海外事業へ発想を転換し、海外における調達・生産・販売基盤を強化していきます。

その具体的な取り組みの一つが、和牛販売の海外展開です。当社グループは、輸出基準に対応した国内の供給拠点と、海外に販売ネットワークを有するANZCO FOODSを活かし、世界市場で評価される日本発の価値を届けていきます。また、Greenlea Group Limitedの買収により、ニュージーランドにおける生産・販売基盤を強化し、世界的なたんぱく質需要の成長を取り込む体制を整えていきます。

2035年に向けては、食肉・加工食品という既存の強みを磨き続けることと、その強みを活かして新たな領域・地域へ広げることの両方が重要です。既存事業を守るだけでも、新しい領域に広げるだけでも十分ではありません。国内外の市場変化を先取りしながら、事業ポートフォリオを進化させ、当社グループならではの食の価値を広げることで、長期経営戦略2035の実現につなげてまいります。
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挑戦する人材を育て、戦略を実行する組織へ

2035年に向けて、事業領域を広げ、海外事業を拡大し、加工食品事業の収益性改善や食肉事業のバリューチェーン強化を進めていくためには、戦略を実行する人と組織の力が不可欠です。どれだけ大きな投資を行っても、それを成果に変えるのは現場であり、商品開発、生産、品質保証、営業、物流、海外事業、DX、経営管理などに携わる一人ひとりです。人的資本は、当社グループの成長を支える最も重要な経営資源だと考えています。

私が目指しているのは、自ら機会をつかみにいき、失敗を恐れず挑戦する人材が次々と生まれる会社です。挑戦することが特別なことではなく、当たり前になる。自ら一歩踏み出した人にチャンスが与えられ、その経験が成果と次の成長につながる。こうした循環をつくることが、経営トップである私の重要な役割です。特に、変化の大きい事業環境の中では、現場の知見を活かしながら、新しい商品、新しい売り方、新しい働き方に挑む力が、当社グループの競争力を左右すると考えています。

社員の挑戦と成長をさらに後押しするため、人事制度の見直しにも着手しています。管理職試験については挑戦回数の上限を撤廃し、意欲と能力のある人材が何度でも挑戦できる仕組みにしました。また、転勤範囲を限定して働くエリア社員にも管理職登用の道を開き、働き方の違いにかかわらず、会社や事業への貢献、挑戦する意欲、成果をより適切に評価できる環境を整えています。現場を知る多様な人材が、より広い役割を担うことは、組織の実行力を高める上でも重要です。

評価のあり方についても見直しを進めています。2026年度からは、一人の上司による評価だけでなく、複数の視点から人材を評価する仕組みを導入しました。挑戦した人、周囲を巻き込んで成果を出した人、将来の成長につながる行動を起こした人が、より正当に評価される組織を目指しています。役員についても例外ではありません。報酬に占める業績連動割合を高めることで、企業価値向上に向けた責任と成果をこれまで以上に明確にしています。こうした見直しを通じて、成果の透明性と公平性をさらに高めていきます。

私は、挑戦とは本来とても面白いことだと思っています。だからこそ社員には、ぜひ挑戦を楽しんでほしい。そして、ひとつの仕事をやり遂げた先にある最大の喜びは、新たな挑戦の機会を得ることだと考えています。挑戦し、やり遂げ、次の機会を得る。この循環が回り始めたとき、社員一人ひとりの成長が組織の変化につながり、当社グループは本当の意味で変化し続ける会社になることができます。こうした人と組織の成長を、戦略の実行力と持続的な企業価値向上につなげてまいります。
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自然・社会との共生を、企業価値向上の基盤に

当社グループが持続的に成長し、企業価値を向上させていくためには、自然環境や社会との関係をより深く意識した経営が欠かせません。サステナビリティは、事業活動とは別に行う特別な取り組みではなく、当社グループの成長と企業価値向上を支える経営そのものだと考えています。

その根幹には、企業は社会をより良くするために存在しているという考えがあります。事業を通じてお客様や社会に価値を提供し、その対価として利益をいただくことができます。利益とは、お客様や社会から選ばれ続けた結果としていただく「ありがとう」の積み重ねです。だからこそ、企業は短期的な利益だけを追うのではなく、社会から必要とされ続ける存在でなければなりません。

当社グループの事業は、畜産から加工、販売に至るまで、多くの人々と環境資源に支えられています。私は「産業側の都合が自然環境より優先されてはならない」という考えを大切にしています。自然の恵みを最大限に活かし、人々の暮らしに役立つ価値へと変えていく一方で、原料調達、畜産における環境負荷、フードロス、水資源、物流、サプライチェーンにおける人権への配慮など、事業活動に伴う責任にも正面から向き合っていかなくてはなりません。こうした取り組みを一人ひとりが日々の業務の中で実践していくことで、サステナビリティを事業活動の当たり前にし、昨日より今日、今日より明日を少しでも良い状態にして、事業と地球環境を次の世代に受け渡していくことが、私たちの責任です。

こうした経営を持続的に進めるためには、実効性あるガバナンスが不可欠です。当社グループでは、監査等委員会設置会社への移行により取締役会の監督機能を強化するとともに、執行側への権限委譲によって意思決定の迅速化を図りました。取締役会では、中長期戦略、成長投資、事業ポートフォリオ、資本効率、人的資本、サステナビリティ、リスク管理など、企業価値向上に直結するテーマについて議論を深めています。

今後も、社外取締役の多様な知見を取り入れることで、経営の重要な意思決定に対する監督と助言の実効性を高めていきます。また、株主・投資家をはじめとするステークホルダーとの対話を経営に反映し、透明性の高い意思決定を実践してまいります。自然や社会との共生を事業の前提とし、実効性あるガバナンスによって経営の質を高めることで、当社グループの持続的な成長と企業価値向上につなげていきます。
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食を通じて、人々の健やかで豊かな暮らしを支え続ける

当社グループの存在意義は、食を通じて人々の健やかで豊かな暮らしを支え続けることにあります。安全・安心でおいしい商品を安定的にお届けすることはもちろん、時代とともに変化する食のニーズに応え、新たな価値を創り出していくことが、私たちの使命です。

これからも、お客様、お取引先、地域社会、社員、株主・投資家の皆様から信頼され、選ばれ続ける企業グループでありたいと考えています。そのために、事業に真摯に向き合い、一つひとつの取り組みを愚直に積み重ねることで、持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。変化の時代にあっても、食に携わる企業としての使命を果たしながら、当社グループらしい価値を磨き続けてまいります。

今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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