東アフリカ最大の国タンザニアは他のアフリカの国々と違い、紛争や民族対立のない平和な国です。首都は国の中央に位置するドドマ。ただし、経済の中心は海岸の近くにある旧首都のダルエスサラームであり、いまだ実質的な首都機能を持っています。
北部にはアフリカ大陸の最高峰、標高5,895メートルのキリマンジャロ山があり、主要な産業として有名なのは、そのキリマンジャロの裾野で採取されるコーヒー豆です。 また、近年では「タンザニアの石」を意味する青紫色の宝石、タンザナイトも人気を集めています。
人々の人柄は大らかで親切。その上、スワヒリ語と英語を公用語としているため、アフリカの異なる民族同士はもちろん、海外からの旅行者ともスムーズにコミュニケーションをとれるという点もタンザニアの特徴としてあげられるでしょう。ですが、そういったたくさんの明るい要素を持ちながらもこの国が世界でも、もっとも貧しい国のひとつであるという現実があります。
タンザニアの中でもザンジバル島とペンバ島は、タンザニア本土とは違った文化を持ちます。宗教的にもキリスト教やイスラム教、伝統的宗教を信仰する人々によって構成される本土の社会と異なり、ザンジバル島とペンバ島の人々はほぼイスラム教徒です。そのため食事や服装、風習といった生活様式もイスラム圏の国々に近いものとなっています。
ザンジバル島、ペンバ島はともに美しい海に囲まれ、ヨーロッパなどからバカンスで訪れる旅行者の姿も珍しくありません。
しかし、世界保健機関(WHO)の児童発育基準を用いて分析した結果、ザンジバル島における重度の栄養不良児の数は、本土タンザニアの4.5%を倍以上も上回る12%であると産出されました。タンザニアの中でも早急に支援を必要とする地域だということがわかりました。